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ドイツ・フランス旅行記3日目

  • 林田
  • 2019年2月27日
  • 読了時間: 5分

Wiegeht’s Ihnen? お元気ですか?

実はドイツ語がすこぶる苦手な林田です。

苦手どころか、簡単な挨拶と数字の1、2、3くらいしかわかりません!

でも短い旅行くらいならなんとかなります!多分。

さてさて、本日はフランクフルトから南へ約170km、シュトゥットガルト(Stuttgart)という都市へ行って来ました。

その目的はずばり、豚博物館(schweine museum)とドイツ食肉加工博物館(Deutsches Fleischermuseum)です!

この2ヶ所は、今回の旅を計画したきっかけであり、旅の目的地の1つでもあります。

地球の◯き方にも載っていないこの大変ニッチな場所を私が知ることとなったきっかけは、今から2年前にさかのぼります・・・。

2017年冬、村西先生と私(当時院1年生)と宮下くん(当時学部4年生)は、マンガリッツァやソシソン(発酵ドライソーセージ)への理解を深めるべく、日本各地の養豚場や食肉加工場を訪れていました。

その中でお会いした、厚木ハム(ホームページ)の工房長である嶋崎洋平さんとはその後も交流が続き、2018年に本大学で食肉加工に関するセミナーを開いていただきました。

そのセミナーにて取り上げられたのが、今回訪れた2つの博物館でした。

セミナー聴講後、興奮冷めやらぬ私。

「な、なんて素晴らしい博物館なんだ・・・!死ぬまでに絶対行ってやる・・・!絶対に・・・!」

と新たなる人生の目標を手にした私。

そう時を経たずして念願叶うこととなりました。やったね。

フランクフルトからシュトゥットガルトまでは、高速列車のICEでおよそ1時間半(片道50€程度)。

ちなみに、フランクフルト市内を走る電車の券売機で、ICEのチケットも購入できます。

行き先とチケットを何度も確認して乗車。

そんなこんなでシュトゥットガルトに到着。

まずは豚博物館を目指します。

シュトゥットゥガルト中央駅から少し出て、Staatsgaleria駅からNo.9Hedelfingen行きのUバーンに乗って約10分。

・・・ん?何かいます・・・。

絶対ここで間違いないと確信が持てます。

着きました!豚博物館です!!

店先には招き猫ならぬ招き豚?

1階にレストラン、2、3階に博物館が併設されています。

レストランは大変賑わっていましたが、博物館はひっそり・・・。

大人1枚5.9€の入場料を支払って、通常はロープが張ってあるらしい入口の階段を通してもらうと、すでにブタ・ワールドは始まっていました。

右下のロープで普段は博物館の入り口を閉鎖している模様。

1部屋1部屋は大きくないものの(住居として使っていたものを博物館として利用?)、どの部屋も、ブタ、ブタ!床から天井までブタ!!!ジャンルを問わずブタ!!!おもちゃに人形、食器に洋服なんでもかんでもブタブタブタ!!!

貯金箱だけでもこのコレクション数。

ひたすらにブタ。

ブタ好きを自称していましたが、私の愛なんて足元にも及ばない、ブタ好きを名乗るのもおこがましいほどのブタ愛に溢れた空間でした。

あまりのコレクション数と、四方八方からブタに見つめられる圧力に、最後の方は本当に頭がおかしくなるかと思いました。

生半可な覚悟で足を踏み入れてはいけない空間です。

無秩序に展示されているかと思えば、「家畜化やイノシシをテーマにした部屋」「世界の品種をテーマにした部屋」「お金の象徴としてのブタ」「ブタとエロスの部屋(!?)」など様々なテーマに沿って各部屋が構成されていました。

「私たち人間にとってブタとは?」を深く深く、考えさせられる博物館です。

そう広くはないはずの豚博物館で2時間近く見学してしまい、気づけばお昼を過ぎていました。

ということで、本日のお昼は豚博物館併設のレストランにていただきました。

ブタを愛で、ブタを集め、ブタを食する豚博物館・・・。

陽気なウェイターのおじちゃんにオススメされたのは、ブタの頬肉の蒸し煮~根菜と自家製シュペツレ添え~。

なんとお肉の柔らかいことか・・・!

晴れた日のテラス席というのも合間って、サイコーに気持ちのよいお昼ご飯でした。

ご飯を食べて回復したら、ひとまずシュトゥットゥガルト中央駅へ戻ります。

そして、No.1のSバーンHerrenberg行きに乗り、40分ほど揺られBoeblingen駅で下車して歩くこと10分弱。

住宅地の合間にちょこんと佇むこちらの建物が、ドイツ食肉加工博物館になります。

言われなければ博物館とは気づかない。

「本当に博物館・・・?」と恐る恐る中を覗くと、受付らしきマダムが3人。

「学生さん?」と尋ねられたので素直に肯定すると、学生証の提示を求められました。

今回は面倒くさがって国際学生証を発行しなかったので、またまた素直に無いことを伝えると、マダム同士でしばし相談。

すると、「どうぞ見て行って」と、ありがたいことに学生料金(なんとタダ!通常料金は2.5€)で通してもらえました。優しい・・・。

博物館は3階建2棟で構成されており、フロアごとにテーマに沿って食肉加工にまつわる古の道具や当時の様子を示した絵画などが展示されていました。

展示案内は全てドイツ語のため、初めて見る展示物は一体何に使われていたものなのか想像もつかないものもありましたが、一方で多くは、と畜実習で使ったことのあるものに類似していたり、嶋崎さんのセミナーおよび大学の講義(おそらく平田昌弘教授の講義)で目にしたことがあるものでした。

しかし、実物を目にするのは初めてです!

使い込まれた跡のある牛刀や研ぎ棒、骨切り鉈(というよりもはや手斧)。

数百年前の道具にもかかわらず、その姿は現代のそれとほとんど変わりありません。

柄の装飾にもこだわりが見られます。

また、この博物館を紹介してくださった嶋崎さんイチオシの最古の電動サイレントカッター(ソーセージ用の肉を絹挽き状になるまで細かく”切る”機械)は、一見すると、「農業機械か何か?」と勘違いしてしまうほどに大きく、日本ではまずお目にかかれない代物でした。

なんと無骨で力強い姿・・・。

棟の1階部分を丸々使ってかつての加工場を再現したフロアは、当時のと畜・解体の空気が感じられるかのようでした(実際、動物の鳴き声や解体作業の音がBGMとして流れ続けており、夕方の薄暗くなる時間に1人で見学するのはめちゃくちゃに恐ろしかったです)。

本当に怖かったんですよ。

帰りしな、入り口に陳列していた絵葉書(食肉加工にまつわる素敵デザイン!)を買って帰ろうとしたら、これまたマダムが言うには「好きなだけ持って行きなさい」とのこと。

な、なんと・・・、こんなグッとくる絵柄のポストカードがタダ?なかなかお目にかかれないデザインなのに・・・?

お言葉に甘え、しこたま絵葉書を抱えいざ帰ろうとしたら、しまいにはパテの缶詰までプレゼントしてくれました。

ちょっとショッキングな絵でも許されてしまうのがドイツ?

なんて至れり尽くせりな博物館なんでしょう!!!

絶対にまた来ます。絶対に。

ドイツの食肉加工や、と畜解体文化に興味がある人は、ぜひフランクフルトを訪れた際シュトゥットゥガルトまで足を運んでください。

そして地球の○き方さん、シュトゥットゥガルトコーナーにメルセデスベンツ博物館だけじゃなくて、こちらの博物館も載せてください、ぜひ。


 
 
 

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